Richard Hamming博士が1986年の「[You and Your Research](https://www.cs.virginia.edu/~robins/YouAndYourResearch.html#:~:text=If you do not, to important problems.)」の講演で述べたように、重要な問題に取り組まない限り、重要な仕事はできないのではないかと思う。ここでいう重要な問題とはタイムトラベルのように解決法が存在し得ないものではなく、何かしらの解決策があるものを指す。
If you do not work on an important problem, it's unlikely you'll do important work. It's perfectly obvious. Great scientists have thought through, in a careful way, a number of important problems in their field, and they keep an eye on wondering how to attack them. Let me warn you, `important problem' must be phrased carefully. [...] We didn't work on (1) time travel, (2) teleportation, and (3) antigravity. They are not important problems because we do not have an attack. It's not the consequence that makes a problem important, it is that you have a reasonable attack. That is what makes a problem important. When I say that most scientists don't work on important problems, I mean it in that sense. The average scientist, so far as I can make out, spends almost all his time working on problems which he believes will not be important and he also doesn't believe that they will lead to important problems.
この観点に立った時に自分が取り組んでいる重要な問題とは何なのかを今一度整理してみたい。
人生とは決断の連続の上に成り立っており、より良い決断ができればより良い人生を達成できる可能性が高い。その決断に影響する材料はその人が持つ or アクセスできる情報ではないか。その情報には自分の経験と他者の経験からやってくるものの二つがある。どちらの情報にせよ、その人にとって必要な情報を得られれば、より良い決断が下せるのではないか。
では、何がその人に必要な情報かどうかの判断に必要なのか?それは (a) 世の中にある情報の分析・理解、(b) その人のcontextとinterestの理解、そして、それに基づいたマッチングではないか。
まず前提として、今後を考えると、情報は絶対に増える方向にしか進まない。つまり情報を減らしてその精度を上げることは期待しづらい。物事には可逆なものと不可逆なものがある。情報の増大というのは、技術の進歩により情報の作成が容易になったこと、それを普及させる技術が発展したこと、また、人が持つstatus seeking的な心理的側面、あとは人口増加などを考慮すると、不可逆ではないかと思われる。これは、Jeff Bezosが2012年の re:Invest Day2 に述べた「10年後にuserがより高くて、より遅く届くものを欲しがるとは思えない」という意見に近い。
It’s impossible to imagine a future 10 years from now where a customer comes up and says, ‘Jeff I love Amazon; I just wish the prices were a little higher,’ or ‘I love Amazon; I just wish you’d deliver a little more slowly.’
世の中にある情報の分析・理解に関してはGoogleがずっと取り組んでいて、AI/MLの技術も高まっている。いくつかの企業はこの世の中にある情報の分析・理解とマッチングの部分に取り組もうとするが、ここはGoogleがいるからよっぽどの技術・資本・経営に腕がない限り手を出してもGoogleに及ばず終わることが多いのではないか。Googleがここにどれだけ時間、お金、人を費やしているのかを考えると理解できるかもしれない。(ここを打ち破る一つの解法としてはYelp, Behance, Indeedなどのように完全にVerticalに絞るか、または、後述するように高解像度のCurationという手が考えられる)
仮に将来どこかのタイミングで無限にある情報の中からでも必ず必要な情報へとアクセスしてくれる装置ができるとすると、もしくは漸近的にも近づいていくとすると、次に発生する問題はその情報があるかないかではないか。情報があるかないかの「0」か「1」かには大きな差がある。無いものは探しようがない。もちろん情報の質は大事だが、情報がありさえすればindexをかけて見つけてこれる可能性がある。
ただ、このときに世の中を見渡してみると、たしかにネットでは見つけられないが、実は人伝などでその人にとって関連性が高く必要な情報というのはあったりする。つまり、人の脳の中には知識や経験として残っているが、それは誰かが、もしくは、何かがその情報をpullするまで出てこないというパターンがある。